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エアコンの手抜き工事は許さない

このサイトはエアコンの取付け工事の手抜きの実態を明らかにし、消費者・工事関係者の双方の利益と信頼関係の正常化をめざします。

信じられないことですが、あなたのエアコンは業者の手抜き工事のせいで「取り付けた時に不良品」となっている可能性があります。
手抜き工事は横行しており、その確率は非常に高いです。
こうなってしまった原因は、取付工事の業者さんのモラルの問題もありますが、背景には「安売り競争のシワ寄せが末端の業者さんに跳ね返っていて、手抜き工事をせざる得ない」事情もあるようです。
しかし5年から10年に1回の高価な買い物を、手抜き工事で壊されたり寿命が短くされてしまうことは耐えられません。
これから買う方も、もう取り付けてしまった方も、賢い消費者となって不法行為と闘いましょう。

メインコンテンツはユーザーの本音満載の掲示板です!

ユーザーの本音満載「エアコンの手抜き工事掲示板」へ

1.工事でどこを手抜きされるか?

エアコンの基本的な仕組み

エアコンの仕組み(熱交換)
画像出典:DAIKINエアコンはどうやって部屋をすずしくするの? https://www.daikin.co.jp/school/class01/lesson01/

エアコンを据え付ける時は、室外機と室内機をパイプでつなぎますね。

パイプには「入(左図で青)と出(赤)」2本の銅管が入っていて、フロンで満たされています。

フロンはこのパイプを通って室内機と室外機の間をぐるぐる回って循環して熱を運んでいます。

このフロンの役目を「冷媒」といいます。

室外機で冷やされたフロンは「入」側の銅パイプを通って室内機に入り、室内機で冷気を放出し、暖められて、再び「出」の銅管で室外機に戻って冷やされます。

ちなみにパイプには室内機に貯まる結露水を排出するホースも一緒にまとめられています

取り付け前、冷媒のフロンはどこに入っているか?

冷媒のフロンはガスですが、ボンベなどで詰められるのではありません。

実はフロンは室外機の内部に詰められて出荷されています。高圧のためパイプの接続が終わったら、室外機のバルブを開ければ、フロンがパイプと室内機の中に満たされれます。

ところで現在のエアコンでは、機械の構造上、また環境問題ヘ配慮から、フロンをバイブに満たす前に、パイプや室内機内の空気を抜いて真空にしてから、フロンを満たさなくてはなりません。

手抜き問題の大きなポイントはここにあります!!

2.プシューーと音がしたら「手抜き工事」!?

エアコン工事をすると終わり頃に「プシューーー」という吹き出し音を聞いた方は多いと思います。

残念ながらその瞬間に手抜き工事が行われています。

パイプを接続した後、室外機に戻ってくるパイプに出口を開けておいて、室外機側からフロンを放出すると、高圧のフロンは勢いよく放出され、一瞬で室内機を満たして、室外機まで戻ってきます。

この勢いでパイプ内の空気を大気に放出しようとするのです。これが「プシューー」という音の正体で空気が大気に放出(エアパージ)される音です。この音が聞こえたらバルブを閉めるわけです。

昔はこうしてエアコンを接続するのが普通でした。

この方法を「フロンガス方式によるエアパージ」または「内部ガスによるエアパーシ」と言います。

しかしこの方法は、今では「環境保護の観点」と「エアコンの寿命に悪影響」を与えないためにも、禁止されています。

3.なぜ「フロンガス方式によるエアパージ」は禁止されたか?

1.「地球温暖化」を防ぐ環境保護のため

フロンは絶対に漏らさない
画像出典:DAIKIN様 「地球温暖化って何?」 https://www.daikin.co.jp/school/class03/lesson01/

10年ほど前から大気中のフロンがオゾンホールを形成するなど、環境に大きな悪影響を及ぼすことが分かってきました。
そこでそれまでは放置されていたフロンの大気放出が禁止されたほか、フロンより影響が少ないと思われる代替フロンを使ったエアコンや冷蔵庫が普通になってきました。

エアコンに従来使われていたフロンはHCFC(R22)ですが、2004年から生産が大幅削減されることが決まっており、現在最新のエアコンから環境破壊が少ないと言われるHFC(R410A)と呼ばれる新冷媒使用に変わってきています。
しかしいくら影響が少ないと言えども放出されない方が良いに決まっています。

ところが「フロンガス方式によるエアパージ」方法では空気が押し出される時に、どうしてもフロンも大気中に放出されてしまいますので、環境保護のため禁止されました。

画像を引用させていただいたエアコンメーカーのDAIKIN様のベジでも

エアコンに使っている「冷媒」も、温室効果ガスのひとつ。エアコンを取りはずすときや、しゅうりをするときは、ぜったいに冷媒を外にもらさないようにしている。

と明示されています。

2.エアコンの寿命を長くするため

旧タイプフロンの機器に比べ、新触媒HFC(R410A)を使用したエアコンは、内部構造が繊細になっています。

もしも 「フロンガス方式によるエアパージ」で施工されると、配管内から完全に空気を追い出すことができず、どうしても配管内に空気が混ざってしまいます。
夏の時期は湿気が高いため、空気中には微量な水分も含まれます。

これが、マイナス数十度の冷媒によって微細な氷片となり、冷媒の流れを妨げたり、目詰まりを起こしたりする危険性が高まります。

またこれらの影響は中長期的に現れ、エアコンの効きが悪くなったり、寿命を著しく短くしてしまいます。

この事実はメーカーが仕様として確認し、環境保護の観点と併せて「絶対にやってはいけないこと」としてエアコン取付時の最重要事項として大きく明示されています。

4.正しい工事「真空引きによるエアパージ」

エアコンの真空引き作業の様子
エアコンの真空引き作業の様子。左の機械が真空ポンプ
そこで現在推奨されているのが、真空ポンプを使ったエアパージです。
この方法では配管後、室外機のバルブに真空ポンプと圧力計を接続し、配管と室内機内部のパイプをできるだけ真空にします。完全に真空にすることは出来ませんが、ポンプに着いているメーターでほぼ完全に真空(0MPa=メガパスカル)になるまで空気を抜くよう求められています。(左:真空ポンプを使った作業)。
なおメーカー指定の真空に近い状態にするためには15分間程度の真空ポンプ稼働時間が必要と言われています。
ただし、ポンプの性能にも左右されるため、「15分稼働しなければダメ」というわけではありません。
正しい施行としては、真空ポンプを稼働した後に圧力計で、真空になったことが確認し、さらに数分放置して真空状態が持続するかチェックします。
またこの過程でもしも施工ミスなどで配管に穴があった場合は、圧力計の針が動きますので、容易に判明することができます。
パイプ内と室内機内が真空になった後は室外機内部のフロンを開放すれば、フロンが外気に放出されることも、大気が内部に入り込むこともありません。

5.なぜ手抜き工事をするのでしょうか?

それは「わずか20分ほど間の施工時間を惜しむ事」につきます。真空引きをすると

  • ポンプの運搬と設置の手間。
  • 稼働し真空状態のチェックのため10~20分程度の時間

が余計にかかってしまいます。業者さんはこれを惜しむのです。確かに稼ぎ時の夏は工事も相次ぐでしょうから、時間は節約したいでしょう。

しかし良心的な業者さんに聞くと「ポンプを稼働する時間は、テーピングや周辺掃除、用具の片づけなど別の作業をすればよいのだから、実質的な全体の時間は変わらない」ともおっしゃいます。

忙しいからという理由で手抜きされて、高価なエアコンを不良品にされてはたまりません。

ただしこの問題を引き起こしているのは、あまりに過酷な価格競争により、業者さんを追い込んでいる販売店の問題もかなり大きいと思います。

6.手抜き工事を防ぐには?

ポイント1・・真空ポンプを確認する

当然ですが、「真空引きでやって下さるのですね?」と販売店にも業者さんにも確認することが第一です。
その上で真空ポンプまたはそれに変わる機材を確認して下さい。ポンプはこんな形(真空ポンプのメーカー株式会社イチネンTSCO様サイトより)です。


画像:真空ポンプのメーカー株式会社イチネンTSCO様サイトより

以前は大きくて重く高価だったようですが、この頃は軽量で持ち歩きできるポンプが次々に開発されています。また電源が取れないところで工事するために、手動式の真空ポンプや、充電池で動く小型簡易タイプもあります。
ただ手動ポンプは大変な重労働となりますし、完全に真空引きができないため、通常は必ず電動タイプの真空ポンプが使われます。

ポイント2・・真空ポンプの稼働を確認する

真空ポンプは「ボコボコ、ゴトゴト」という空気を吸い出す稼働音がします。これが最長15分ほど続きます。
ポイント3の 「フロンガス方式によるエアパージ」のような「プシューー」という音はしません。

真空引き作業後ポンプを外したり、フロンを開放する際に一瞬「プシュッ」と小さな音がするだけです。

ポイント3・・エアコンの据付工事説明書を事前に受け取り確認する。

エアコンには「据付工事説明書」がついています。業者さんはなぜかこれを見せてくれません。

まず「据付工事説明書」を受け取り、工事内容を把握し、これを見ながら工事に立ち会って下さい。あなたのこの姿勢だけで、手抜き工事はできにくくなるはずです。

※工事では他にも
・フレアのヤスリがけ/ リーマ フレア部の冷凍機油の散布+/ トルクレンチで締め付け/配管の45度以上の曲がり部のパイプベンダーの使用

といったしばしば手抜きさがちな手順がありそうですが、当サイトでは触れません。

ここまで素人が判別することはほとんど無理です。手抜き工事の象徴として、また環境問題への警告として、「真空引き」に焦点を当てて追求します。

7.もしも手抜き工事をされたなら?・・・・もはや室外機交換しかありません

1.すぐに販売店に連絡し明確に抗議しましょう!

一旦「フロンガス方式によるエアパージ」をされ運転してしまったら、すでに障害が発生していると考えなければなりません。こうなると室外機ごと交換してもらうしか方法はありません。

販売店が知識がなかったり、言を左右にして非を認めないようなら、メーカーのお客さま相談室に抗議しましょう。

メーカーは仕様書で指示している事を無視されたわけですから、必ずあなたの味方になってくれます。

2.国民生活センター(消費者センター)に届け、指導を要請しましょう!

すぐにお住まいの地域にある「国民生活センター」に届けましょう。電話番号は全国共通で「188」です。
 ※下のイラストをクリックすると都道府県のセンターの電話番号も分かります。
消費者ホットライン188
なお、まさにこの瞬間にも不適当な工事のため、大気中に膨大なフロンが放出されているはずです

国民生活センターは広報誌やHP等で、この事実を啓蒙すべきと考えますが、「消費者よりの届けがない」という理由で動いてくれません。皆さん一人一人の声で行政を動かしましょう。

8.私の個人的な体験より。

最新型のエアコンを買いました。各種掲示板などで「エアコンの手抜き工事」が横行していることは知っていましたので、サービスに定評ある老舗の電気店で購入しました。しかも販売員に工事方法を確認しました。

販売員は「当社はもちろんメーカー指定通りの方法でやっています」と明言してくれました。

ところが工事当日「あれ?どれが真空ポンプかな?」と思ううちに工事はどんどん進んでいきました。
何度か業者の出入りがありましたので、「きっとその内ポンプ持ってくるのだろう」と見ていましたが、配管が終わったところで、業者はあっけなく「プシューー」と音をさせて、「フロンガス方式によるエアパージ」をしてくれました。

こうなってはもう手遅れです。

すぐにメーカーに電話しました。メーカーの技術者によると「指定通りの工事でないと非常にまずい。場合によっては寿命が3分の1くらいに低下する可能性がある」と明言していました。

幸い販売店は非常に良識があり、即座に非を認め、室外機を取り替えとなりました。取り付け業者は「時間節約のために手を抜いた」と認めたそうです。
販売店としてはHFC(R410A)が導入されたと同時に、取付業者には講習会の参加を義務づけ、工事の指示書にも明示していたそうですが、現場で手抜きされてはどうしようもありません。

今後はお客さま向けの「工事の内容のお知らせ」に「真空引きのためコンセントを借りること」などを明示し、手抜き工事の撲滅を進めるとのことでした。
しかし新しい室外機が来るまで2日暑い思いをしました。販売店は今回の取り付け工事費を無料にしてくれましたが、私がこうむった不愉快感からすると本心ではそれでは収まらない気持ちもありました。しかし今後の改善を約束して、これで納得しました。

ちなみに私が見て回った電気店では、一部を除いて店頭で真空引き施工のことを明示した販売店はありません。

なぜお客に渡す説明書面に「真空ポンプを動かすために20分間ほどご家庭のコンセントをお借りします」との一文を入れることができないのでしょうか?

こんなことは思いたくありませんが、本音では取付台数を増やすために黙認しているのでしょうか...

9.当サイトについての連絡先

情報掲示板にお願いします。なお技術的な質問にはお答えできません。

また本掲示板の存続についてのご意見いただいても無駄です。社会正義の実現のために続けていきます。またグーグルの広告についてご批判がありますが、有料掲示板を使用する運営経費分としてご理解下さい。

10.掲示板

情報交換掲示板を用意しました。良識に基づいた積極的な書き込みをお待ちしています。

※ 2020年7月新掲示板に移行しました。旧掲示板 のデータはすべて移行しました。

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